ネイル

すごいしょうもないこと。

たとえば、同い年、同年代の女の子たちは朝から化粧をして、綺麗な爪をして、ネイルをして、手荒れもしてなくて。

自分の手を見ると、今の仕事の持ち場につく前には無かった手荒れ。手荒れはひどさを極めて手湿疹になり、皮膚科の薬じゃないと痒みがひどく、掻きむしってしまえば皮がぱりぱりぽろぽろと落ちる。爪も荒れて、表面の皮が剥がれる、所謂二枚爪。

ネイルケアとかね、結構買ったりしたんだよ。まあでも意味が無い。手荒れのせいでその皮膚の下で作られる爪まで歪んで、日焼けして荒れた手。

 

私はきっと、他の人が仕事で荒れた手を見ても思わないのに、自分の手には素直に思う。

醜いな、と。

 

ショッピングモールを歩けばネイル屋さん。

雑貨も置いてある本屋に行けば、ネイルコーナー。

かわいい色に目が止まって、かわいいとはしゃいで、でも買うことは無い。

だって使わないから。

 

買ってどうするの?だって使わないのに。

だって塗ったらいけないのに。

 

一時期、まあ結構昔。

友人間でネイルが流行り、柄にもなく手を出した。安物のマニキュアを買い漁り、模様とか、デコとか練習したりした。

でもね、すぐ落とすんだよね。きれいに頑張ってできたネイルがあったとして、長くもって2日。

まあ正直、うまくいくことは少なかった。頻度がそもそも少なかったから。

買い集めたマニキュアたちは、数回使われた後に捨てた。

 

ネイルが許されない職がいっぱいあるのなんて分かっている。正直、そんなにネイルそのものが好きという訳では無いんだと思う。

ネイルをして、キラキラしている女の子たちが、羨ましくて。自分が、あまりにもみっともなくて、恥ずかしい。きっと、それはそんな涙。

そんなことを言うと、他の人にもそう思うのか、なんて思われそうだけど本当にそんなことはなくて。私は私を蔑むのが癖なんだ。ただそれだけ。

 

自分が、望んでこの仕事をしていれば、ここまで惨めにはならなかったんだろうか。

仕事は多分嫌いではない。でも何か、何かが苦しくてたまらない。惨めでたまらない。

キラキラしている人を見るのが、苦しくてたまらない。

似たような思いを抱えてる人はいるんだろうな。

しんどいな。

派手なものじゃなくていいから、薄ピンクでも乗せてあげれたらよかったんだけど。

 

雨がとてもよく降るから、私を溶かして、水の量で元がないくらい薄めて、どこかに流してくれないかな。